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【令和6年5月度 管長メッセージ】『未来を悲観しない生き方を!!』

みなさんにとって日本の未来はどう見えていますか?

少子高齢化、急激な円安、巨大地震の可能性、戦争、パンデミック、温暖化、人口の加速度的現象、人心の荒廃、政治の腐敗など未来にむかって暗澹たる気配があります。またユーチューブなどのネット空間では、「あいつが悪い」「こいつは最低だ」という人を誹謗中傷するような言論が支配していますし、「これから大変なことが起きる」というような人を怖がらせるメッセージが溢れています。そして『日本はダメだ』という感覚が世の中を覆っています。
 これからAIが発達すると、ますますフェイクニュースが蔓延してくると思います。しかし、ここで翻ってもう一度考えてみると、考えても仕方がないことは考えても仕方がないことです。そしてもう一度目を転じてみると、ほとんど多くの人にとってご飯が食べられずに飢え死にしてしまうことはないでしょうし、毎日毎日ムチで打たれるという人もないでしょう。そして日々お風呂に入ったり、散歩をしたり、テレビをみたり、時には旅行にいったり、結構楽しいことがあるはずです。そしてこちらが心を開けば、一緒に話をしてくれる人も少なからずいるはずです。そして今の日本では、夜一人で歩いていても、まず人に襲われることはありませんし、本当に生活に困った時には生活保護でなんとかなります。
 昔、第二次世界大戦の時に、ユダヤ人たちはアウシュビッツに捉えられ、過酷な重労働をさせられ死んでいきました。しかしその中でも生き延びる人がいました。
 かつて『夜と霧』という本が世界的なベストセラーになったことがあります。この本を書いたのはビクトル・フランクルというユダヤ人の精神科医だったのですが、彼もナチスドイツに捕えられ、強制収容所に送られてしまいました。
 強制収容所の中では過酷な労働が行われていたのですが、クリスマス間近になると「解放されるかもしれない」というデマが飛び交います。しかしクリスマスが終わっても、解放されません。その絶望感の中で、人がバタバタと死んでいったといいます。しかしその中でも、生き延びられた人がいたといいます。彼らは、やがてこの収容所から解放された時に、家族とまた団欒を迎えられると心の中で思っていたそうです。
 そして、厳しい生活環境の中でも、山裾に落ちていく夕日に美しさに心奪われていた人たちは、生き延びることができたというのです。

この本の重要なメッセージは、人を生かすものは『希望』であり、何気ない日常の中に『感謝』と『喜び』を感じる心だというのです。

 私たちは、日々生きているといろいろと心配になることや後悔すること、そしていらいらすることや腹のたつことが起こります。しかしそんな毎日の中で、心の針を『希望』と「喜び」に向けるときにまったく違う人生の姿が浮かび上がってくるのでしょう。

今日一日の心を、希望と喜びに向け、未来の日本と世界に光を感じていきたいものです。

 今月もよき一ヶ月をお過ごしください。

令和6年5月吉祥日

大本山 弘法寺 
管長 小田 全眞

追伸:明日5月5日は、こどもの日(端午の節句)です。弘法寺では、14時より御護摩など大人も子供楽しめる行事を行います。皆様とご一緒したいと思いますので、お時間許される方はどうぞお参りください。

護摩祈祷会(御影供/みえく)について。

弘法寺では、毎月21日のお大師様の御縁日に、護摩祈祷会を行っております。

当寺は、檀家さまだけでなく、多くの方にひろく門戸を開けているお寺です。

毎回、初めての方からおなじみの方まで、多くの皆さまに足を運んで頂いております。

弘法寺は港区三田・田町駅より徒歩6分ほどに位置しており、「身近に通えるお寺」としての存在になれればと思っております。

弘法寺にてお会いできますこと、心よりお待ちしております。

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本堂(3階)にて空海消えずの火を御護りしています。どなたさまもご参拝いただけます。