『生きがい』の本質とは?
最近、脳科学の第一人者である茂木健一郎先生とよく対談をします。茂木先生が書かれた『IKIGAI』という本がヨーロッパで大ベストセラーになっています。なんと世界で52か国語に翻訳されていますから驚きです。特にドイツでは、1年間ずっとベストセラーを続けていたといいます。
みなさんにとって「生きがい」とはどういうものを想像されるでしょうか。何か特別なことが達成されたときや、歓喜に沸き立つ瞬間を思い浮かべるかもしれません。しかし茂木先生が提唱されている“日本的生きがい”というのは、本当に普通の生活の中にあるといいます。
朝起きて、歯を磨いて、トイレに行って、着替えて、朝ごはんを食べて、出勤して——という普通の暮らしの瞬間瞬間、そして一呼吸一呼吸に喜びを感じる心をもつことこそが、最も素晴らしいことであると説かれています。これがヨーロッパで受けているというのも、不思議な感じがします。
もしかしたら、「もっともっと頑張って多くのものを手に入れなければ」という上昇志向の行動パターンに、人々は疲れてきているのかもしれません。
先日、『パーフェクト・デイズ』という映画を観ました。役所広司さんが主演で、街中の公衆トイレの掃除を仕事にしている主人公が、実に穏やかに豊かに自分の人生を生きている姿を描いた作品です。非常にしみじみと心に残る映画でした。
何気ない今日という日の中に、心がほっこりとする生きがいを発見していきたいものです。
私の最近の超絶生きがいは、生後4か月になる孫にミルクを飲ませている瞬間です。こんなに幸せを感じることはありません。まさにじじバカ炸裂ですが、ありがたいことです。
みなさま、どうぞ今月も穏やかで豊かな時間を感じながらお過ごしください。ありがとうございました。
追伸
今月も、11月21日(金)18時より護摩祈祷会がございます。ぜひお参りください。
合掌
令和7年11月1日
大本山 弘法寺    
管長   小田 全眞


護摩祈祷会(御影供/みえく)について。
弘法寺では、毎月21日のお大師様の御縁日に、午後6時より護摩祈祷会を行っております。
当寺は、檀家さまだけでなく、多くの方にひろく門戸を開けているお寺です。
毎回、初めての方からおなじみの方まで、多くの皆さまに足を運んで頂いております。
弘法寺は港区三田・田町駅より徒歩6分ほどに位置しており、「身近に通えるお寺」としての存在になれればと思っております。
弘法寺にてお会いできますこと、心よりお待ちしております。




