暑い酷暑まっさかりですが、お元気でしょうか?8月15日は終戦記念日です。毎年、命の尊さを感じさせてくれます。
戦争の終戦からもう80年たつのですね。あの戦争を実際に体験した人たちは今生きている人たちの約1割です。
もう二度と戦争は起こってほしくないと思いますが、しかしあの時の戦争を日本だけが悪かったと思うのならば、日本のために命を捧げてきた先人たちに申し訳ないと思います。
今の日本を築いて来るために、また愛する家族を守るために、自分の命を捧げてこられた方々を、単に犬死にであったと思うのは、それはあまりにもかわいそうだと思うのです。
なぜ今自分がいるのか、それは親がいて祖父母がいて、またさらに先祖がいて、計算上は30代遡ると先祖の総数は10億人を超えると言います。実際にはそんな数はいないので、私たち一人一人の先祖はどこかで繋がっているのでしょう。
その人たちも、懸命に自分の人生を生きてきたはずです。そして其の命の連鎖が今の私たちの命にまで繋がっているのだと思うと、自分の命の中に先祖の命や魂が息づいていることを感じるのです。
密教でも、供養ということを大切にしています。香をたくのは、悟りの知恵。華を供えるのは無常と美しさ。灯明は仏の光明。塗香は慈悲やお加持の力。そして食は布施と感謝の心です。この五つをもって、仏様やご先祖さまをご供養させていただいています。そして其のご供養はめぐりめぐって私たちの命に息吹きを与えるのです。
私ごとですが7月に、初孫が生まれました。男の子ですが、この子を見ていると、本当に命というものの連綿とした繋がりを実感します。
この子の健やかな寝顔を見ながら、これからの世の中が、人々が幸せに生きていける世界になっていくことを願わずにはいられません。
現在の日本で、今だけ、ここだけ、自分だけ、お金だけという風潮がいささか蔓延しているかもしれませんが、少しでもお互いに思いやる気持ちを持って生きていける社会が生まれ次の世代に手渡していけることを祈ります。
合掌
令和7年8月1日
大本山 弘法寺
管長 小田 全眞

護摩祈祷会(御影供/みえく)について。
弘法寺では、毎月21日のお大師様の御縁日に、午後6時より護摩祈祷会を行っております。
当寺は、檀家さまだけでなく、多くの方にひろく門戸を開けているお寺です。
毎回、初めての方からおなじみの方まで、多くの皆さまに足を運んで頂いております。
弘法寺は港区三田・田町駅より徒歩6分ほどに位置しており、「身近に通えるお寺」としての存在になれればと思っております。
弘法寺にてお会いできますこと、心よりお待ちしております。


