みなさん7月に入り酷暑が続いていますが、お元気でしょうか?もうすぐ七夕ですね。七夕という祭は中国で牛飼の若者と、織姫が年に一度の逢瀬をする物語で、文献を調べるとなんと2600年も前から続いていて『詩経』にも登場しています。
中国では日本のバレンタインデーのような扱いなのですが、この物語はただの恋愛譚ではありません。そこには「会うべき人と、しかるべき時に、しかるべき形で会うことの奇跡」が織り込まれています。私たち一人一人の出会いもまた、星の運行のように、見えない法則と因果に導かれているのかもしれません。
人はしばしば「なぜこの人と出会ったのか」「なぜ今、この瞬間に」という問いに直面することがあります。偶然のように見える出会いの中に、実は何かしらの意味や必然性を感じるのです。また何度も会っているのに、長い時間の後に、その人との真のつながりの意味が突然わかるときもあります。
本当に出会いというのは不思議です。
七夕の物語の本質は「待つ」ということにあります。その人と素晴らしい再会を信じて、日々を織り、耕し生きる。其の忍耐と希望は、現代における人間関係にも通じるものがあります。出会いは焦って手にいれるものではありません。あるべき時に、あるべき形で、心が準備された者同士が出会う。其の出会いは瞬間であっても、人生の中で光を放ち続けます。星が空で静かに巡るように、人の縁もまた静かに、そして確かに動いています。七夕の夜、空を見上げるとき、そこには無数の「まだ出会っていない誰か」との未来の可能性が輝いているのかもしれません。
それを信じる心こそが、人の人生を豊かにする灯火となるのでしょう。
今月もよき一ヶ月間をお過ごしください。
合掌
令和7年7月1日
大本山 弘法寺
管長 小田 全眞

護摩祈祷会(御影供/みえく)について。
弘法寺では、毎月21日のお大師様の御縁日に、午後6時より護摩祈祷会を行っております。
当寺は、檀家さまだけでなく、多くの方にひろく門戸を開けているお寺です。
毎回、初めての方からおなじみの方まで、多くの皆さまに足を運んで頂いております。
弘法寺は港区三田・田町駅より徒歩6分ほどに位置しており、「身近に通えるお寺」としての存在になれればと思っております。
弘法寺にてお会いできますこと、心よりお待ちしております。


