皆さまにおかれましては、益々ご健勝にて新年をお迎えのことと存じます。
さて、本年も節分の季節が巡ってまいりました。節分とは、立春の前日にあたり、冬から春へと季節が移り変わる大切な節目でございます。この時期には、古くから邪気を払い、福を招くためのさまざまな行事が行われてまいりました。
日本において節分といえば、豆まきを思い浮かべる方が多いことでしょう。「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまくことで、目に見えない災厄を退け、家庭や地域の平安を祈念するのです。この「鬼」は単なる妖怪ではなく、人間の心に巣食う煩悩や執着、怠惰、怒りといった負の感情を象徴しております。仏教の教えにおいても、私たちは常に自身の内なる鬼と向き合い、それを克服する努力を重ねていくことが大切だと説かれています。
真言宗におきましては、大日如来の教えに基づき、自らの内にある仏性を輝かせることを大切にしております。節分の豆まきは、単に邪気を払う儀式にとどまらず、私たちが心の迷いや煩悩を払い、新たな一歩を踏み出す機会ともなります。この機会に、日々の生活を省み、より善き生き方へと向かう誓いを新たにしてまいりましょう。
また、節分の翌日には立春を迎えます。立春とは、文字通り「春の始まり」であり、新たな生命の息吹を感じる時期です。寒さの厳しい冬を越え、芽吹く春の訪れは、私たちに希望と再生の力をもたらします。人生においても、困難や試練を乗り越えた先には、必ず光が差し込むものです。私たちは皆、大いなる仏の慈悲のもとに生かされております。そのことに感謝し、互いを思いやり、調和の心をもって歩んでまいりましょう。
どうかこの節分を機に、皆さまが心身ともに清められ、福徳円満なる一年をお過ごしになられますよう、心よりお祈り申し上げます。
南無大日大聖不動明王
合掌
令和7年2月1日
大本山 弘法寺 管長 小田 全眞

護摩祈祷会(御影供/みえく)について。
弘法寺では、毎月21日のお大師様の御縁日に、午後6時より護摩祈祷会を行っております。
当寺は、檀家さまだけでなく、多くの方にひろく門戸を開けているお寺です。
毎回、初めての方からおなじみの方まで、多くの皆さまに足を運んで頂いております。
弘法寺は港区三田・田町駅より徒歩6分ほどに位置しており、「身近に通えるお寺」としての存在になれればと思っております。
弘法寺にてお会いできますこと、心よりお待ちしております。


