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【令和6年4月度 管長メッセージ】『人生は死ぬまでの暇つぶし』というのは本当?

 時々、どうせ人生というのは死ぬまでの暇つぶしなので、そんなに頑張ったってしようがないという考えを言う人たちがいます。

 これは怠け者の言葉だけではなくて、歴として哲学者でも、人が何かを成したとしても、しばらくすると、その人の功績などは瞬く間に忘れ去られていくし、やがては地球も太陽に飲み込まれてなくなってしまうのだから、そもそも人生に意味はないというのです。

 まあ確かにそれはそうですが、では人の人生など最も効率的に生きるためには、今すぐ死んでしまうのが良いという結果になります。

 私は思うのですが、人生を悶々として自分を責めている人に対しては、「人生は死ぬまでの暇つぶしだから、何も悩まなくてもよい」という言葉は救いになるかもしれません。

 しかし、この言葉を聞いて人生に本当のやる気が生まれるでしょうか?

 私は、日々人間教育に勤しんでいます。人間教育といっても何も難しいことを教えているわけではありません。一人一人の人が、少しでも心が晴れやかになればと思って活動しているのですが、人の心の扉が開いていく瞬間に立ち会うことに感動するのです。

 昨日も研修しているときに、私の研修の受講生の方が参加しておられました。前に参加されたときには、自分を責め、自分の人生に悲観し、研修中も泣いておられました。

 しかし今回会った時には、顔に光がさしてとても晴れやかなのです。

彼女は、「前に研修に参加したときには、それまでの自分の人生に対してマイナスの意識しかありませんでした。しかし研修に参加したあと、はっとして自分を受け入れ自分を全て許すことができました。そうしたら世界が全く変わって見えるようになりました」と笑顔で語っていました。

 私は、本当に良かったなあと思いました。人生に意味があるかないか。人生が死ぬまでの暇つぶしか。そんなことはどうでもよくて、日々の中に心が温かくなったり感動する瞬間を味わえたら、それでいいのではないかと思うのです。

 私は思います。どんな人生であれ、心を込めていきれば、それは生きるに値する素晴らしいものだと思います。

 あなたの人生を素晴らしいものにしていってください。

追伸:4月8日は、お釈迦様の誕生日です。弘法寺では、14時より仏生会を行います。皆様とお祝いをご一緒したいと思いますので、お時間許される方はどうぞお参りください。

令和6年4月1日

大本山 弘法寺
管長 小田 全眞

護摩祈祷会(御影供/みえく)について。

弘法寺では、毎月21日のお大師様の御縁日に、護摩祈祷会を行っております。

当寺は、檀家さまだけでなく、多くの方にひろく門戸を開けているお寺です。

毎回、初めての方からおなじみの方まで、多くの皆さまに足を運んで頂いております。

弘法寺は港区三田・田町駅より徒歩6分ほどに位置しており、「身近に通えるお寺」としての存在になれればと思っております。

弘法寺にてお会いできますこと、心よりお待ちしております。

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本堂(3階)にて空海消えずの火を御護りしています。どなたさまもご参拝いただけます。