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【5月 弘法寺管長メッセージ】諸行無常(しょぎょうむじょう)は人生の救いである

「諸行無常(しょぎょうむじょう)は人生の救いである」

平家物語の冒頭に「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」という言葉がでてきます。
私たちは、栄える者が没落していく様を見て「諸行無常だなあ」と言ったりします。

仏教でも「諸行無常 諸法無我」というのですが、実はこの言葉の中には「虚しいなあ」という諦めの気持ちは、本当はありません。

確かに人はどんなに若くても老いていきます。隆盛を極め人気を集めても、時間が経てば必ず人々から忘れられていきます。

そう思うと、私たちの人生の営みは虚しいようにも思えるのですが、反対にどんなに苦しいことでも時が経てば消えていきます。
後悔したことも、不満なことも、怒りを覚えることも、寂しさもあるいは不安なことも、必ず時の流れの中で消えていきます。

そして何より、人生の最後「私たち自身が皆死ぬ」という救いがあります。肉体という苦しみを感じる主体そのものが消えてしまうのですから、今、私たちが感じている苦しみが永遠に続くということはありません。

よく「死んでから、地獄に落ちる」というような脅かしがありますが、大体人の苦しみというのは肉体をもち、その肉体の五感から発生してくるのですから、肉体がなくなれば間違いなく苦しみもなくなってしまうものです。

私は、人生の中でどんなことがあっても、死んだら最後は永遠の平安に到達するということを信じていますので、現世で起こってくるさまざまな出来事や心の揺らぎも「まあ、こんなものか」と達観できます。

そして反対に、自分が「何かをやろう!」と思った時でも、「こんなことをして何の意味があるのか?」というような疑問を感じることなく、とにかくやりたければやったらいい、と思っています。

それが成功しようが失敗しようが、また社会的に意味があろうがなかろうが、大きな宇宙の時の流れの中では大した違いはないからです。

人生いろいろあっても、自分自身の変化を楽しんでいく心が「諸行無常の極意」なのだろうと思います。

むかし経営の神様松下幸之助翁は「この宇宙には無限に生々発展していく根源的な力が宿っている。その瞬間瞬間で衰退や間違いに見えることがあっても、大きな目でみたら必ず生成発展していっているな。これを信じられれば人生は悠々と生きていけるな」と語っています。

人生できる限り、こだわらず風のように生きていければいいですね。

今月も良き一ヶ月をお過ごしください。

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毎月21日弘法大師の月命日と8日に護摩炊き(御影供/みえく)行っております。

毎月21日「弘法大師 空海」の月命日と8日に、開運護摩焚き(御影供/みえく)を行っております。

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