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【5月度 管長メッセージ】「初心忘るべからずの本当の意味」

皆さん、「初心忘れるべからず」という言葉はご存知のことと思います。
一般には、物事を始めた時の新鮮な気持ちを忘れないように、という意味で理解されております。
しかしながら、本来の意味は少し異なります。
この言葉は、日本の「能」を大成した世阿弥が、著書『風姿花伝』の中で説いたものです。

ここでいう「初心」とは、何かに取り組む中で、ある時ふと「これだ」「面白い」と心から感じられる、その瞬間を指します。
振り返ってみれば、物事を始める際には、「うまくできるだろうか」という不安がつきものですし、最初から楽しさを実感できることは、ほとんどないでしょう。

けれども、ひたむきに続けていく中で、やがてその面白さや喜びに出会う時が訪れます。
それこそが「初心」なのです。

一般には、どのようなことでも約一〇〇〇時間ほど取り組むと、この「初心」に至るとも言われます。
一日一時間であればおよそ三年、三時間であれば一年ほどの積み重ねとなります。

さらに、真摯に歩みを重ねていけば、人はまた次なる「初心」と出会うことになります。
人の才能とは、最初から華やかに現れるものではなく、この「初心」に至るまで、静かに続けていく力そのものを指すのではないでしょうか。

今年のゴールデンウィークも始まりました。
このひとときが、皆様にとって、やがて「初心」と出会うことのできる、ひたむきな歩みの始まりとなりますことを願っております。

合掌

追伸:
五月五日、端午の節句にあたり、当山弘法寺では午後二時より、世界中の子どもたちの幸せを祈念し、特別勤行を厳修いたします。
お誘い合わせの上、どうぞご参詣いただけましたら幸いに存じます。


令和八年五月吉祥日
大本山 弘法寺
管長 小田全眞