
みなさんこんにちは、弘法寺住職の昭憲です。
今日は8月15日。全国的にお盆のまっただなかですね。
お盆といえば、ご先祖さまをお迎えし、感謝を伝える大切な期間。
ご家族でお墓参りをされたり、仏壇の前で手を合わせたり、
少し特別な時間を過ごされている方も多いのではないでしょうか。
そんな「いのちを想う日」に、私がいつも思い浮かべるのが「臍の緒(へそのお)」です。
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で、臍の緒を通じて栄養や酸素をもらいながら育ちます。
生まれてからは切り離されますが、
その一本の“細い管”に、命のすべてが託されていたんですよね。すごいことです。
昔は、臍の緒を小さな箱に入れて大切に保管する風習もありました。
そこには「この子の命は、ご先祖さまたちとつながっている」という想いが込められていたのでしょう。
仏教では、「自分だけで生きている命」という考え方はしません。
親がいて、そのまた親がいて——
たくさんのご縁とつながりがあって、今の“わたし”がある。
臍の緒も、ご先祖も、目には見えないけれど、
私たちの“根っこ”のような存在なんだと思います。
このお盆は、ふと立ち止まって、
自分の命のルーツや、大切な人たちの存在に思いを向けてみてください。
そして今日も、どうか穏やかな一日をお過ごしくださいね。
合掌
令和7年8月15日
大本山 弘法寺
住職 上田 昭憲
